こんにちは!現役理学療法士のひよこです🐣
今回参考にする有名論文とは
二木先生の「脳卒中リハビリテーション患者の早期自立度予測」です。
知っている方も少なからずいるのではないでしょうか?
ひよこ🐣はポンコツPTなので急性期病棟で勤務しているとき、
リハビリの期間は1ヶ月位でいい?
など先輩に聞かれるのがとても苦手でした😱
ひよこと同じ悩みを抱えているセラピストはこの記事必見です!
ひよこ🐣おすすめの書籍はこれです!
ココに注意
・参考書の中では割高
・分厚いので読むのに根気がいる
ココがおすすめ
・書かれていることは脳卒中のリハビリをするうえで必須の知識ばかりで一家に一冊は必須
・解剖、生理、評価、装具など幅広い分野を学べる
リハノメはおすすめできるオンラインセミナーです。
ココに注意
・月額料金がかかる
・実技のスキルは身に付きにくい
ココがおすすめ
・コンテンツ数が多い、リハビリ界のアマプラ的存在
・何回でも繰り返し動画の見直しができる
二木の予後予測とは?
発症早期の脳卒中患者の最終自立度が早期にどの程度予測出来るか検討した論文です。
対象は発症30日以内に入院、1975年7月~1980年10月の間に退院した406人です。
かなり大規模な研究ですね😆
年齢 各時期の自立度・基礎的ADL 臨床的な諸因子
これらの組み合わせで最終自立度の予測を検討しています。
自立度・基礎的ADL
具体的な予後の前にもう少し要素の掘り下げです!
屋外歩行
・屋内歩行
・ベッド上生活自立
・全介助
自立度はこの4段階に分けられています。
また、全介助もさらに、3項目に細分されています。
・食事 ・尿意の訴え ・寝返り
3項目のうち、いくつ実行できているかがポイントです。
これらの評価は日常生活内で、ひとりで、安全に、できることが自立の基準となっています。
臨床的な諸因子
- 運動障害
- その他のリハビリテーション阻害因子
この2つに臨床的な諸因子は分けられています。
・片麻痺
・両側障害
・失調症
運動障害はこの3種類に分類されています。
対して、その他のリハビリテーション阻害因子はたくさんあります!
注意ポイント
再発 意識障害 痴呆 夜間せん妄 失語症 左半側空間無視 深部感覚障害(下肢) 筋・骨格関節障害 心疾患 その他の精神症状 高血圧 糖尿病
「確かになー」と思うものもありますが、阻害因子は多いですね😅
年齢と最終自立度
入院時に自立歩行ができなかった182人の年齢別の最終自立度です!
全体では111人が最終的に歩行自立してます(61.0%)
ポイント
・59歳以下の29人のうち、26人が歩行自立した(90%)
・80歳以上の28人のうち、歩行自立したのは10人(35.7%)
もう少し細かく見てみましょう。
入院時に歩行自立できなかった患者様を、ベッド上生活自立と全介助に分けてみます。
ポイント
・ベッド上生活自立→年齢によらず45人中、42人が歩行自立(93%)
・59歳以下の全介助→歩行自立したのは91%
・80歳以上の全介助→歩行自立したのは11%
これらの結果から、年齢は最終自立度に重大な影響を与えると言えるでしょう!
各時期の自立度と最終自立度
各時期の自立度で最終的な自立度も予測できるようです!
ベッド上生活自立患者の自立度変化
入院時にベッド上生活自立している患者様は45人中、42人(93%)が最終的に歩行自立しました。
42人中、40人は1か月以内に歩行自立しました。
歩行自立できなかった3人の内訳は以下の通りです。
注意ポイント
・重度のうつ病を有した方
・頚椎症による両側深部感覚障害を有した方
・3回目の発作で両側障害と中等度の痴呆を有した方
どれもリハビリテーション阻害因子が影響していそうですね
ちなみに、歩行自立できなかった3人は介助歩行であれば出来たそうです。
全介助患者の自立度変化
入院時に全介助であった患者様が経過(2週、1・2・3ヶ月、最終)で自立度がどう変化するのでしょう?
以下の表でまとめてみました!
2週間 | 1ヶ月 | 2ヶ月 | 3ヶ月 | 最終 | |
全介助 | 101 | 76 | 60 | 54 | 53 |
ベッド上自立 | 34 | 37 | 31 | 22 | 15 |
歩行自立 | 2 | 24 | 46 | 61 | 69 |
入院時にベッド上生活自立されていた患者様とは経過が異なりますね
全介助から新しくベッド上自立できるようになったのは、2週間で34人、1ヶ月で24人、2ヶ月で16人でした。
ポイント
・2週間でベッド上自立→34人全員が最終的に歩行自立
・1ヶ月でベッド上自立→24人のうち22人(92%)が最終的に歩行自立
・2ヶ月でベッド上自立→16人のうち8人(50%)が最終的に歩行自立
いつ、ベッド上生活が自立するかが歩行自立度に関わりそうですね!
入院時全介助患者の「基礎的ADL」と最終自立度
基礎的ADLは食事、尿意の訴え、寝返りの3項目です。
3項目のうち、いくつの項目が実行できるかが最終自立度に関わります!
ポイント
・3項目or2項目実行→33人のうち32人が歩行自立
・1項目実行→59歳以下に限ると5人全員、歩行自立
・0項目実行→80人のうち、21人(26%)は最終的に歩行自立
基礎的ADLは最終自立度を判断するうえで重要な要素と言えそうですね!
入院時に基礎的ADLを実行できていた方は2週、1ヶ月、2ヶ月時に基礎的ADLを獲得した方より最終的な歩行自立度が高いです。
時間経過も重要な要素でしょう。
しかし、入院時に0項目実行でも最終的に歩行自立可能な方がいます。
つまり、1部の方は適切なリハビリテーションで歩行自立ができると考えられますね!
臨床的諸因子と最終自立度
入院時に全介助であった患者様137名の臨床的諸因子と最終的な自立度の関係を検討しています。
運動障害
入院時に全介助だった患者様の運動障害と最終自立度の関係です。
片麻痺はBrunnstrom Recovery Stage(以下Brs)によりBrsⅠ・Ⅱ、BrsⅢ、BrsⅣ~Ⅵの3段階に分類しています。
ポイント
・BrsⅣ~Ⅵ→24人のうち23人(96%)が歩行自立
・BrsⅢ→32人のうち17人(53%)が歩行自立
・BrsⅠ・Ⅱ→50人のうち19人(38%)が歩行自立
・両側障害→23人のうち5人(21%)が歩行自立
Brsと最終自立度の間には明らかに関係がありそうですね
・59歳以下でBrsⅠ・Ⅱの11人は全員が最終的に歩行自立しました。
・80歳以上でBrsⅠ・Ⅱの8人は全員が自立歩行困難、7人は全介助のままでした。
麻痺の重さと年齢にも関係が認められているようです!
4大阻害因子
臨床的な諸因子でリハビリテーション阻害因子についてあげました。たくさんありましたよね😅
二木先生の「脳卒中リハビリテーション患者の早期自立度予測」では
注意ポイント
・遷延性意識障害(JCSⅢ・Ⅱ桁)
・痴呆
・両側障害
・高度心疾患
これらを4大阻害因子としてあげています。
いずれかを有した50人のうち49人が全介助に留まりました。
遷延性意識障害から回復した患者様3人は全員、痴呆に移行しました。
4大阻害因子の有無は大きく予後に関わりそうですね!
まとめ
まとめです!
二木先生の「脳卒中リハビリテーション患者の早期自立度予測」では
年齢
各時期の自立度・基礎的ADL
臨床的な諸因子
これらの3つの要素から最終的な自立度を検討しています。
年齢についてです。
ポイント
・59歳以下の29人のうち、26人が歩行自立した(90%)
・80歳以上の28人のうち、歩行自立したのは10人(35.7%)
各時期の自立度・基礎的ADLについてです。
ポイント
・2週間でベッド上自立→34人全員が最終的に歩行自立
・1ヶ月でベッド上自立→24人のうち22人(92%)が最終的に歩行自立
・2ヶ月でベッド上自立→16人のうち8人(50%)が最終的に歩行自立
臨床的な諸因子についてです。
二木先生の「脳卒中リハビリテーション患者の早期自立度予測」では
注意ポイント
・遷延性意識障害(JCSⅢ・Ⅱ桁)
・痴呆
・両側障害
・高度心疾患
これらを4大阻害因子としてあげています。
いずれかを有した50人のうち49人の最終自立度は全介助に留まりました。
年齢、各時期の自立度・基礎的ADL、臨床的な諸因子どの要素も大きく予後に関わりそうですね!
もっと詳しく「脳卒中リハビリテーション患者の早期自立度予測」に興味のある方はぜひ論文を読んでみてください。
いかがだったでしょうか?
今回は【脳卒中】有名論文に学ぶ歩行の予後予測【新人理学療法士必見】についてまとめさせていただきました。
この記事が皆様の臨床、実習の一助になると幸いです。
読んでくれてありがとうございました!
ひよこ🐣おすすめの書籍はこれです!
ココに注意
・参考書の中では割高
・分厚いので読むのに根気がいる
ココがおすすめ
・書かれていることは脳卒中のリハビリをするうえで必須の知識ばかりで一家に一冊は必須
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