脳機能

【知らなきゃヤバい?】脳卒中の急性期でリハビリが上手くいかない3つの理由

 

こんにちは!現役で理学療法士をしているひよこです🐣

 

脳卒中の急性期は点滴が多くつながっていて、リスク管理に気をつけないといけないし、

なんだか患者様も意識障害でぼやぼやしている方が多く、

ひよこ🐣はビクビクしながらリハビリをすることが多いです(笑)

 

 

あれ?症状が思ったより重度なのかな?
意識障害があって全然、やりたい評価ができないよ~

 

 

と、ひよこ🐣は初めて急性期の脳卒中の患者様を担当したときに悩んでしまうことがありました。

 

ひよこ🐣と同じような悩みを抱えている方はこの記事必見です!

 

この記事では以下の3点について深掘りしています。

・脳卒中の急性期で症状が重度に起きる原因
・脳浮腫、虚血性ペナンブラ、ディアスキシスとは何か
・急性期から回復期へ繋げるために

 

 

1つずつ説明しますね!

 

 

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この記事はこの本を参考にして書かせていただきました。

 

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脳浮腫

 

1つ目の急性期でリハビリが上手くいかない理由の1つは脳浮腫です!

 

ポイント

脳浮腫とは脳が腫れてしまうことです。

脳梗塞、脳出血により炎症が起きると損傷領域の周辺で浮腫が起きてしまいます。

 

 

炎症が起きて腫れてしまうのは打撲、切り傷でも同じですね。

 

 

 

脳浮腫が起きると周りの組織が圧迫を受けてしまいます。

 

圧迫を受けると一時的な機能不全が起きてしまうのです。

 

 

皮質が浮腫により圧迫を受けて脳溝が頭蓋骨の方へ押し付けられたとしましょう。

 

脳溝には皮質を栄養する血管が通っていますが、圧迫により血流量は少なくなってしまいます

 

そうすると皮質を損傷していなくても皮質の機能低下が起きてしまいそうですよね。

 

 

 

 

一般的に脳浮腫は8週間ほど持続します。

 

また、脳浮腫の改善により、神経機能の回復がみられると言われています。

 

 

虚血性ペナンブラ

 

2つ目の急性期でリハビリが上手くいかない理由の2つ目は虚血性ペナンブラです!

 

 

ポイント

虚血性ペナンブラは壊死が起こらない程度の血流量の低下のことです。

脳梗塞によって起きてしまいます。

 

 

場所としては脳虚血が起きている中心の部位の周囲に生じます。

 

つまり、脳梗塞と正常な脳細胞の間が虚血性ペナンブラが起きる場所です。

 

 

血流量の低下の影響で脳梗塞が起きている領域の周囲も機能低下が起きてしまいます。

 

脳梗塞の大きさ・領域以上に神経症状が重度になってしまう原因の1つですね。

 

 

 

 

ちなみに、医学的な治療では虚血性ペナンブラの領域が脳梗塞に進行しないように素早い回復をすることが目標となるようです。

 

リハビリも治療の邪魔をしないように血圧管理は気をつけなければですね💦

 

 

虚血性ペナンブラの急性期治療は3時間がターニングポイントと言われています。

 

tPA治療は聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?

 

虚血性ペナンブラは数時間から数週間で改善するとされています。

 

 

ディアスキシス

 

3つ目の急性期でリハビリが上手くいかない理由はディアスキシスです!

 

 

ポイント

ディアスキシスは脳損傷した部位と神経線維によって連結している領域に生じます。

損傷部位と連結している領域に、一時的に代謝や生理機能不全が起きてしまいます。

 

 

ちょっとわかりにくいですね😅

 

 

たとえば

東京駅が機材トラブルで電車が止まってしまうとしましょう。

その時、山手線で繋がっている品川駅は通常通りの運行が出来るでしょうか?

大体の場合、繋がっている路線、駅も電車の遅れが出てしまいますよね。

ディアスキシスも同じようなイメージで損傷していない領域にも影響が出てしまいます。

 

 

 

 

実際の例としては、↓のようなイメージです。

 

メモ

・視床出血が発症した

→連結している頭頂葉に機能不全が起きる

→一時的に半側空間無視が出現する

 

 

ディアスキシスは数日から数か月間で緩やかに改善するとされています。

 

 

結局、急性期のリハビリはどうすればいいの?

 

上記で説明した通り、急性期では神経症状が重度に出現してしまう要因の影響で、思ったようにリハビリが進まないことが多いです。

 

 

ここまで読んでくれた方は

 

 

結局、脳卒中の急性期のリハビリって何すればいいのさ!?

 

と思う方もいるでしょう。

 

 

では、逆に急性期に治療開始する利点を考えてみましょう。

 

 

学習性不使用の予防

 

脳卒中を発症してから麻痺側を動かさないと皮質脊髄路の働きはどんどん落ちてしまいます

 

 

皮質脊髄路とは随意運動に関わる経路です。

 

皮質脊髄路を損傷してしまうと運動麻痺が起きてしまいます。

 

 

動かないことで皮質脊髄路を損傷してしまうことはありませんが、

 

ただでさえ片麻痺の出現により活動が低下している、皮質脊髄路の活動が不使用でさらに低下するのは患者様にとってマイナスの要素でしょう。

 

 

研究では早期からリハビリテーションを開始することが片麻痺(F-MA)の予後に関わる要素だと分かっています。

 

 

 

上のグラフは介入時期(横軸)とFugl Mayer Assessmentという運動麻痺のスコア(縦軸)の関係を示しています。

 

運動麻痺の推移のグラフは上から「軽度」「中等度」「中等度~重度」「重度」となっています。

 

30日以内の早期介入で「中等度」「中等度~重度」「重度」のFMA(Fugl Mayer Assessment)は大きく改善がみられますね。

 

 

特に「中等度~重度麻痺」だと早期にガツンとFMAの点数で回復がみられ、「中等度」のスコアに大きく近づきます

 

このように早期に活動量を上げることで神経可塑性が得られやすいと言えるでしょう!

 

 

脳卒中の発症直後であれば、まだ麻痺側を動かす運動イメージが残っています

 

運動をしないことで不使用を学習してしまい、運動イメージがなくなってしまうのもマイナスな要素です。

 

 

廃用の進行

 

脳卒中の発症により、活動量は確実に低下してしまいます。

 

ベッド上での生活が主になってしまうと筋力、耐久性はどんどん落ちてしまうでしょう。

 

 

 

 

ここまでで説明したように脳卒中の急性期だと神経症状が重度に生じやすく、症状が安定するのは回復期以降になります。

 

 

急性期の治療が終了し、回復期で

 

これから神経ネットワーク形成にどんどんリハビリやるぞー!

 

というとき、廃用が進行していて、まず体力向上のための訓練からやらなきゃ、

となるのは患者様、回復期で働くセラピストにも阻害因子となります。

 

 

 

 

これからリハビリを継続するための土台作りとして、急性期で廃用予防のための運動量の確保は必須と言えるでしょう。

 

 

まとめ

 

まとめです!

 

脳卒中の急性期でリハビリが上手くいかない理由は3つ挙げさせて頂きました。

 

ポイント

・脳浮腫→損傷領域の周辺で浮腫が起きる/8週ほど持続

・虚血性ペナンブラ→脳梗塞と正常な脳細胞の間が虚血状態になる/数時間から数週間で改善

・ディアスキシス→損傷部位と連結する領域に機能不全が起きる/数日から数か月間で改善

 

 

これらの原因で脳卒中の急性期のリハビリは上手くいかないことが多いでしょう。

 

 

ですが、急性期では回復期に繋げるために不使用の学習、廃用の進行を予防する必要があります

 

 

いかがだったでしょうか?

 

今回は【知らなきゃヤバい?】脳卒中の急性期でリハビリが上手くいかない3つの理由についてまとめさせていただきました。

 

読んでくれてありがとうございました!

 

急性期に関わるならぜひ、この記事も参考にしてください!

 

 

 

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  • この記事を書いた人

hiyoko@pt2

現役の理学療法士です ポンコツ理学療法士が1人前になるために勉強したことを発信します ◉分かりにくい脳血管疾患のあれこれ ◉転職・勉強会のすすめ 「教科書には書いていない嚙み砕いた知識」を発信します

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