こんにちは!現役で理学療法士をしているひよこです🐣
つい忘れがちですが、理学療法士は人対人の接客業です
患者さまも十人十色、いろんな方がいるので、落ち込んでいる方・やる気があまりない方もいると思います
など気になる方は、ぜひ記事を参考にしてください!
この記事では以下の3点について記載しています。
・意欲向上に関する論文紹介
・論文のまとめ
・ひよこ🐣の解釈
苦手なタイプの患者さまとの関わり方についてまとめた記事もあります!
患者さまとの人間関係でしんどい思いをしている方は過去記事も参考にして下さい🙌
どんな声掛けをすればいいの?
結論だけ先に言うと、声かけの内容は肯定的な方がいいです
論文を元に理由を説明してみますね😊
リハビリテーションにおける患者様への効果的な声掛けについて
最初にこちらの論文を紹介させて頂きます!
リンク:https://smrk.sakura.ne.jp/kaiin/bunken/vol.3/hokoku4.pdf
入院・外来患者様93人+PTOTSTと他職種(Drなど)合わせて34人にアンケートを行った研究です
アンケート内容はリハビリ中によく聞かれる声掛けに「やる気が出る」「どちらでもない」「やる気を失う」を選択してもらう方式です
スタッフはさらに、その声掛けが「適切」「どちらでもない」「不適切」も選びました
結果としては、「頑張りましょう」が含まれる励ましの言葉は患者様が「やる気が出る」と回答することが多かったです
以下の回答は約85%の方がやる気が出ると回答した声掛けです
・今日も頑張りましょう
・早く1人で歩けるように頑張りましょう
・トイレが1人でできるように頑張りましょう
・1人で着替えができるように頑張りましょう
これらの声掛けはやる気を引き出す上では強力なようです
ですが、スタッフの回答としては、「適切である」と回答したのは50%以下でした
また、気をつけないといけない声掛けも存在します
25%以上の方が「やる気を失う」で回答したのが⏬です
・今日はだめでしたね、気をつけましょう
・歩けないと家に帰ったときに困りますよ
・トイレが出来ないと家に帰れませんよ
ネガティブなフィードバック、やんわりと脅すような言葉ではやる気に繋がりにくいんですね🙄
ですが、運動療法に消極的な方の危機感を煽るために言っているPTをよく見る印象です
・スタッフの都合を押し付ける「時間だから終わりにしましょう」
・抑制の意味がある「まだだから待ってて」
他に「やる気を失う」声掛けとしては⏫が上げられています
論文のまとめとして以下の事が記載されています
・脳卒中後のうつ状態の出現頻度は25~30%
・言葉以外の表情、語調で伝わる部分も多い
個人的にも、まとめの通りだと思います
言葉以外の部分も気にしながらコミュニケーションを取りたいですね👍
理学療法時の意欲を向上させる声掛けの言い回しに関する予備的研究
次に紹介するのはこちらの論文です!
リンク: https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/32/1/32_35/_pdf
入院患者様37名に行ったアンケートで実験をしています
・トイレ練習
・歩行訓練
・痛み
それぞれのリハビリで肯定的or否定的な声掛けをして、意欲が出るかどうか回答してもらう研究です
ex)トイレ練習
肯定的:トイレ練習が上手く出来れば、家に帰れますよ
否定的:トイレ練習が上手く出来ないと、家に帰れませんよ
結果はトイレ、歩行、痛みのどの場面でも肯定的な声掛けが意欲向上した方が多かったです
ただ、痛みの場面だけは否定的な言い回しでも意欲向上した方がいました
(結果の表が表記ミス?でかなり読み取りにくいです、ひよこ🐣は読み取れなかったので具体的な数字は提示出来ません😂 気になる方は自身で論文を読んでみてください👍)
考察としては、否定的な声掛けだと「家に帰れない」「歩くのが遅くなる」など、声掛けの一部に意識が集中し、意欲に影響しているかも、と述べられています
意欲向上のための声かけロボットの支援効果の検証
次に紹介するのはこちらの文献です!
リンク:https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/ej/?action=repository_uri&item_id=198788&file_id=1&file_no=1
事前に言うと、リハビリ場面の研究ではなく、教育場面で行われた研究です!
実験の内容です!
対象は大学1年生の6〜7人のグループです
iRobot Createにプログラミングをして、実際に動かす授業を学生が行います。
iRobot create(アイロボット・クリエイト)はiRobotによって製造される趣味用のロボットで、2007年に掃除用のルンバを基に開発された。iRobotクリエイトはロボットの開発とルンバのハッキングを通じて技術を高める事を想定して設計された
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/IRobot_Create
⏫はiRobot Createの説明です!ひよこ🐣も全く知らなかったので、ググってみました😆
すでに用意されている声掛けロボットが、プログラミングの授業中の学生に、取り組みに応じた声掛けをします
1位:素晴らしい、天才だ
上位半分:その調子、あなた達ならできる
下位半分:楽に行こう、ファイト
こんな感じで、進捗に応じた声掛けをしていたようです📣
ロボットの声を聞いた人と、聞いていない人に分類して学習意欲に関するアンケートを行い、声かけと意欲の関係を調べたみたいです!
結果としては、ロボットの声を聞いた方がアンケート上、意欲が高かったようです
まとめ
今回は3つの研究を紹介させていただきました😆
・肯定的な声掛けは意欲向上につながる
・否定的な声掛けは意欲低下を引き起こしやすい
・状況に応じた声掛けはロボットが行っても意欲向上した
結果からわかることは⏫のような感じだと思います👍
理学療法士なら使ってしまいがちですが、強い声掛け・否定的な声掛けはあまりいい結果が出ないかもしれませんね
だからと言って、適当に褒めちぎればいいかと言えば、そうではなく状況に応じた内容が望ましいと思います
状況に応じていれば、ロボットが声掛けしても結果が出ていますからね😂
ロボットでもいいのなら、若手・ベテラン・男女の誰が声掛けしても意欲向上につながるのではないでしょうか🤔
アメリカのCI療法の動画を見たことがありますが、セラピストは「そうだ!」「すごくいいぞ!」など、部活の顧問ばりの声かけをしていました
国や文化の違いはありますが、それくらいガツガツしてもいいかもですね💪
今回の記事はここまでになります!
もっと深く内容を理解したい方は、ぜひ自身で論文を読んでみて下さい
ひよこ🐣とは違う理解・解釈もできるかもしれません🙌
ちなみに、患者さまとの関わりより、職場のお局との関わりでひよこ🐣は悩んだ経験があります
職場の人間関係でしんどい思いをしている方は過去記事も参考にして下さい🙌