脳機能

小脳の構造と運動学習 フィードバックとフィードフォワードについて【知って得する脳機能】

 

こんにちは!現役理学療法士のひよこです🐣

 

 

小脳って何してるところなの?

 

なんとなく小脳が何してるか知ってるよー

 

 

こんな悩みの解決、知識のおさらいに記事を読んでみてください。

 

この記事では以下の4点について深掘りします。

メモ

  • 小脳の場所
  • 小脳核・小脳脚とは
  • フィードフォワード・フィードバックとは
  • 運動学習の仕組み

 

 

難しい単語だらけに感じますがそれぞれ丁寧に説明しますね!

 

リハビリテーションのための脳・神経科学入門 改訂第2版 [ 森岡 周 ]
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この記事は↑の本を参考にしています。

 

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小脳はどこにあるの?

 

小脳は大脳の下方、後ろにあります。

 

 

赤い矢印のしわしわのところが小脳です。

 

小脳は大脳半球と比べると小さいですが、神経細胞は小脳の方が多いと言われています。

 

 

そう聞くと重要な気がしますよね(笑)

 

 

小脳は4つに部位分けできます。

 

 

4つの部位にはそれぞれ役割の違いがあります。

 

  • 片葉小節葉→眼球運動の制御
  • 虫部→体幹近位筋の制御
  • 半球中間部→運動の微調整(フィードバック)
  • 半球外側部→運動の予測(フィードフォワード)

 

半球中間部、半球外側部の役割は後で追記しますね。

 

 

小脳核ってなに?

 

小脳には小脳核があります。
小脳核は小脳の情報をギュッと溜めている場所です。

 

小脳→大脳、筋肉→小脳など情報のやり取りの際に小脳核を経由します。

 

 

 

小脳核は3つあります。

  • 室頂核
  • 中位核(球状核+栓状核)
  • 歯状核

 

この3つです!

 

小脳核はそれぞれ小脳の中で関連している場所があります。

 

  • 室頂核→虫部
  • 中位核→半球中間部
  • 歯状核→半球外側部

 

虫部と関連する情報のやり取りをする時は室頂核を経由、半球中間部と関連する情報は中位核を経由します。

 

 

小脳脚ってなに?

 

小脳脚は小脳と他の場所(大脳皮質、筋肉など)の間で情報を受け渡しするときに橋の役割をします。

 

  • 上小脳脚
  • 中小脳脚
  • 下小脳脚

 

3つに小脳脚は分けられます。

 

小脳がどこと情報の受け渡しをするかで通る小脳脚が変わります。

 

  • 上小脳脚:小脳(半球外側部)→大脳皮質
  • 中小脳脚:大脳皮質→小脳(半球中間部)
  • 下小脳脚:筋肉(下オリーブ核)→小脳(虫部)

 

どこからどこへ情報を送るかによって小脳脚が変わります。
どの小脳脚に障害が出るかで症状も変化しそうですね。

 

 

小脳の運動学習

 

小脳には効率的な運動を学習するための機能があります。

 

フィードフォワードとフィードバックの情報の違いから小脳は運動の学習が促されます。

 

それを誤差学習といいます。(フィードフォワードとフィードバックは後述しますね)

 

誤差学習によりどんどん効率よく動けるようになり、何も考えなくても動けるようになっていきます。

 

 

たとえば

外出の時、「あれ?家の鍵閉めたっけ?」とたまになりますよね?

 

鍵の操作は、考えなくてもできる動き(小脳で処理されている)なので鍵を閉めたかわからなくなってしまいます(笑)

 

日常生活で行う動きは、ほとんど小脳で自動化されています。

 

・YouTube・TVを観ながら
・会話しながら
・違うことを考えながら

 

ながらでも家事や食事ができます。

 

 

「手に持っているマグカップからコーヒーを飲む☕」ときに

 

まず、肩をこれくらい曲げて…、肘はここで固定して…、口の開け方は…

 

と動きが自動化されていないと、1つ1つ考えながら身体を動かさなければいけません。

 

 

全部考えて動くと疲れちゃいますよね

 

 

フィードフォワードとは?

 

運動の予測がフィードフォワードの機能です。

 

「手に持っているマグカップからコーヒーを飲む☕」とき、

 

手をこんな風に動かせばマグカップを口に近づけられる!

 

 

と無意識にわかるのはフィードフォワードが正常に機能してるからです。

 

 

フィードフォワードは「以前、上手くいった運動の記憶」をもとに行われます

 

小脳の歯状核、半球外側部がフィードフォワードに関わっています。

 

フィードフォワードの情報は大脳皮質に送られ、その情報をなぞって運動が行われます。

 

そのため、小脳の予測通りの動きができます。

 

 

たとえば

バスケのフリースロー🏀は

「手首、肘をこれくらいの強さで伸ばせば、ボールはゴールまでまっすぐ飛ぶ」と、

フィードフォワードをもとに運動が行われます。

 

 

フィードバックとは?

 

運動を予測することはフィードフォワードの機能だと説明させていただきました。

 

今、している運動の微調整がフィードバックの役割になります。

 

 

「手に持っているマグカップからコーヒーを飲む☕」とき、

 

手をこんな風に動かせばマグカップを口に近づけられる!

 

これがフィードフォワードの役割でしたね。

 

 

対して「コーヒーを飲む☕」ときのフィードバックは、

 

 

ここで、肘はストップ!もう少し手首を曲げて、マグカップを口に近づけよう。

 

 

と、実際に行っている運動の微調整を行います。

 

フィードフォワードは事前の計画を立てるための設計図、
フィードバックは実際に働いているときに調整をする現場監督といったイメージです!

 

 

鼻指試験では、

ポイント

運動が始まったときに手を伸ばす方向→フィードフォワード
腕を伸ばした後に、指を触る細かい運動の調整→フィードバック

 

 

このように働く場面に違いがあります。

 

また、フィードバックは無意識で運動調節をする特徴があります。

 

フィードバックは小脳の中位核、半球中間部と関連しています。

 

 

どうやって小脳は運動学習するの?

 

簡単に説明するとフィードフォワードとフィードバックの誤差が学習につながります。

 

フィードフォワードは「上手くいった運動の記憶」をもとにしていると前述しましたが、慣れていない運動ではどうすれば上手くいくかわかりません。

 

行った運動は筋肉から小脳へフィードバックの情報が送られます。

 

 

フィードバックをもとに、上手くいかないフィードフォワードはもう使えないように抑制されます

 

この抑制を長期抑圧といいます。

 

どんどん長期抑圧が進んで、上手くいくフィードフォワードの情報だけが残ります

 

 

運動が上手くいくフィードフォワードの情報を内部モデルといいます。

 

内部モデルの形成が小脳の運動学習になります!

 

 

小脳内の図だとこんな感じですね!

 

  • フィードフォワード:苔状繊維→小脳(平行線維)
  • フィードフォワード:下オリーブ核→小脳(プルキンエ細胞)

 

この経路で小脳へ情報が入ります。

長期抑圧によりシナプスが厳選されて内部モデルが形成されます。

 

 

まとめ

 

まとめです。

 

小脳は大脳の下方、後ろにあります。

 

小脳は4つの部位に分けることができ、それぞれ機能が違います。

 

  • 片葉小節葉→眼球運動の制御
  • 虫部→体幹近位筋の制御
  • 半球中間部→運動の微調整(フィードバック)
  • 半球外側部→運動の予測(フィードフォワード)

 

 

小脳には効率的な運動を学習するための機能があります。

 

 

フィードフォワードとフィードバックの情報の違いから小脳は運動の学習が促されます。

 

 

いかがだったでしょうか?

 

今回は小脳の構造と運動学習【知って得する脳機能】についてまとめさせて頂きました。

 

この記事が皆様の臨床、実習の一助になると幸いです。

 

読んでくれてありがとうございました!

 

 

リハビリテーションのための脳・神経科学入門 改訂第2版 [ 森岡 周 ]
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この記事は↑の本を参考にしています。

 

ココに注意

・新人さんには難しすぎる
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  • この記事を書いた人

hiyoko@pt2

現役の理学療法士です ポンコツ理学療法士が1人前になるために勉強したことを発信します ◉分かりにくい脳血管疾患のあれこれ ◉転職・勉強会のすすめ 「教科書には書いていない嚙み砕いた知識」を発信します

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